12月12日に発表された2018年の漢字は「災」。平成最後の年は、そんなニュースを少しも奇異に思わないほどに大きな自然災害が各地を襲った年だった。
被災した人と地域へ祈りを込めた歌声を届け、合唱でつながりたいと、10年前に神戸で始まった「レクイエム・プロジェクト」の2019年最初の演奏会が、1月14日(月・祝)14時から、東灘区民センターうはらホールで開かれる。今回の演奏会タイトルは「レクイエム・プロジェクト2019~共に歌い、共に伝える、いのちのうた~」。冠の言葉には「阪神・淡路、東日本、熊本、胆振(いぶり)東部、そして西日本豪雨災害など多くの被災地への祈りを込めて」と、謳われている。
追悼と希望の合唱プロジェクトを主宰するのは、豊中出身の作曲家・上田益(すすむ)さんだ。上田さんは神戸ルミナリエの会場音楽を1999年から毎年手掛け、今回で20年目を迎えた。1月14日のコンサートでは、神戸ルミナリエ2018の会場音楽から「Vita gloriosa,donum Dei」「祈りの時」「Salve Regina」をはじめ、2016年にローマ法王に献呈した「ミサ・プレヴィス~平安への祈り~」からの抜粋曲、女声合唱作品集「風のように」(詩・宇部京子、全6曲、神戸初演)、児童合唱組曲「今この時を」(詩・伊波希厘)など、すべて上田さんが作曲した曲を、本人が指揮して披露する。
上田さんは「災害によって失われた〝いのち〟や傷ついた心、破壊されたふるさとや自然を思い、悲しみ、苦しむ人たちに対して、音楽に何ができるのかと始めた市民参加型の合唱プロジェクトが活動10周年を迎えました。昨年1月にはオーケストラの伴奏で、全国から約230人の歌い手たちが参加する記念コンサートを開きました。今年はピアノ伴奏のみに戻りますが、届けたい思いは同じ。2018年に被災した地域や人々への思いも、来場の皆さんと共有したいと思います」と言う。
出演は、声楽ソリストとして緋田芳江、栗木充代、眞木喜規、緋田吉也。ピアノ伴奏は、林葉子、陶山薫子、河村泰子。合唱は、レクイエム・プロジェクト 神戸いのりのとき合唱団をはじめ、KOBEルミナリエ2018音楽参加・公募合唱団有志、各地のレクイエム・プロジェクト合唱団有志と神戸市立桂木小学校合唱団。
入場料は一般前売り1,500円(当日2,000円)、高校生以下は無料。問い合わせは電話(TEL080・5181・6692、上田さん)またはEメール(requiem@music.nifty.jp)で。